星廻り沈没船/あらい
 
境なく、尾は萎びぶら下がっており、窓の外はもうしゃがれた風を置き去るばかりにボロボロだが。そう、顔も意識も点滅している。このティアクラウンの周りをみてくれ。絡み合い茂っていた――ここが心臓にして奥にして白一色の兆候を抜く、薬瓶は青く溺れてました。さっきまで脈打った常夜灯は穢れ、土壌の逃避経路はビオトープの斜面を愛でるばかり。むしろ彼では彼女では、ケム(煙)ではないのだろう。カラフルな絵本に翻訳機を通して見る0.5文字ぶんのどこからが庭口の小路であったのか、またなにもかも言い出したら止め処がないから。枕木にちかく立つ森の木漏れ日に溢れいる何本もの小川が集り、ゆすりながら、グリッチを気化せ、円盤へと再製しました。母体ではないすきまを叩くあかるい日陰にあるからだとおもいこむ。「しばらくぶり」で「お疲れ様です」と転変するにも憚られるは、もうこのところにはミチがないからやはり。誠実さと語り口の、引き込まれる遊び心の或る雑聞愁。切ない旋律とその愚かさだけを暴く翼の海流へ。ただすべからずそこへ落果するのみ。
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