夜明けの思惟/ひだかたけし
 
濡れた溝を辿り
滲む白頬の
太古から伝い流るる

夜明けの思惟、

夜更けの悪夢また孤独
という怪物を溶解し
人をして正気に独りに
肉を離れ魂に生き
濡れた溝を辿り
滲む白頬に

思惟を思惟に繋ぐ
新た流るる思惟の生命、

とくんとくん 柔らか鼓動打ち

 時空なき大海に注ぎ込む

夜明けの思惟 純な魂の行為
      、
混沌とした感情の高潮から
その鮮明な輪郭浮き上がらせ

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