桜散る中で/積 緋露雪00
 
」で空中ブランコを
――ゆあーん、ゆあゆあーん。
と表現したやうに
桜舞ひ散る其処は
人智を超えたゆあーんの往還が為されてゐて
生は死を、死は生を往還してゐるのだ。
さうでなければ、
舞ひ散る桜の美しさはこの世にあってはならぬ代物で、
桜が散りゆく滅びの美ほど切ない美しさは今生のものに思へぬ。
つまり、桜散るとは結界が破れて死が噴出する場なのだ。

ゆあーん、ゆあゆあーん。

戻る   Point(2)