ただ 夜が 明けると なき、わらうことで/あらい
 
溶けていると感じられる温さ、毒を吸わされた展は、
そのものを刈り取る 氷上の青いタブーにある。
赤黒く汚れた鋸も。遠くのむらでは汚れなくキレイで、
きっと老いた姿で談笑している賑わいに過ぎない。
けれどパチパチと爆ぜる棘、その皮肉といい、
おしゃべりな二枚舌が閊えては 心地悪いから、
たすかりたい とおもう、域はゆるやかな苦みを射した
気化性の高い炎は、手首の切り口が腐敗してできた 
虚ろ目で。弱っていく 憂さ晴らしだとして
マーガレットの束を、運ぶ少年は風のようで
いっそ引っこ抜いたほうがいいんだろうとおもい
境界線を越え官能的に自分自身を傷つけている
どこにも浮上することができない、敵意でいた

喫茶店のラジオは知らない情景を引き付けてくる
ヒカリによってちょっとだけ 青をくすねて、
花の冠を被った女児が、あなたを花で飾るもよう。
散乱する人体の破片。散った花びらや虹色の粒が雫を纏い
濡れ羽の光沢と 溢れんばかりの芽を時に生やすかぎり
ストーブを背にこちらに微笑んでいた冬のあいだも
ただ 夜が 明けると なき、わらうことで
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