痩せた猿が誘蛾灯の下で/ホロウ・シカエルボク
 

痩せた猿が誘蛾灯の下の小さな檻の中で陳腐な引用と比喩だらけの言葉を吐いていた、のべつ幕なしに並べ立てていたがそれは一言も俺の興味を引くようなものではなかった、生まれてこのかた名前も聞いたことが無いようなコンビニエンスストアの入口のそばだった、俺はちょっとした食いものとシェービングクリームを買うついでに長い長い夜の散歩に出てこのコンビニを見つけ、そして誘蛾灯の下でハリウッド臭い青色に染まっている痩せた猿を見つけたのだった、あんた、ねえ、あんた、と痩せた猿は俺を見つけるとしきりに俺の興味を引こうとした、あとで、と俺は答えて買物をするために店内に入り少し時間をかけて食いものを選び、いつも使っているシ
[次のページ]
戻る   Point(3)