夜の梟/中沢人鳥
 
靄の籠る水面に
深緑の影が霧散する
確かに脈打つ枝と枝
不確かな夜の梟が
泣いている

曖昧な景色と
あなたが目を合わせた時
悲しくも
あなたの望みは
煙りとなって
梢の間に薄まってゆく

優しく
底なしの静けさ
月光の色に滲みる
夜の空から落ちている
梟の声が響いている

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