森羅万象、顫動するも/積 緋露雪00
何十億年の星霜が経ったであらうか。
時に激変を繰り返しながらも
森羅万象は存在としてあり続け
さうして今は一見安定期にあるやうに見えるが
よくよく見ると森羅万象は皆顫動してゐる。
それはまるで武者震ひにも見え
何年もの星霜の後に変化が訪れる予兆を感じてか、
森羅万象は顫動しながら何ものかへと変化する意思を持ち続けた結果、
その願ひが叶ふときがくるかもしれずと
その強烈な意思の持続は並大抵のものではなく
だからこそ森羅万象が相転移するが如くに
変化を遂げるそのときの悦びと不安は推してしかるべきものだが、
それでも有為転変が世の常ならば
変化は忽然と訪れるものだ。
然し乍ら
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