ガラス窓/積 緋露雪00
 
斜めにひしゃげた窓枠に
ぶらんと垂れ下がりしガラス窓
この部屋も遂にぐるりと回転を始め、
微動だにせぬのは吾のみや
得体の知れぬ時間が到頭破綻した。
これは夢ではなく、
現実のことなのだ。
破綻した時間が見せる世界は
去来現が滅茶苦茶で
世界もまた渦巻き始める。
渦動せし世界の真ん中に
ゐるのは吾のみなり。
そもそも世界はさうあるベきか。
固有時といふ言葉があるやうに
世界は一人ひとり違ったやうにあるのであるが、
それを摺り合わせて共同幻想の下、
同じ大世界の中で誰もが微塵の狂ひもなく
共通認識の世界を共有して
存在してゐるのかもししれぬが、
一度それが破綻す
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