花曇/あらい
町並みの軸は摩耗する
その浅瀬の透明な温い水は塩辛いものだ
ジグザクのうそを指折り数える
見知らぬ場所であれ不自由な語尾にのせる
小骨のかたちを定めるように游ぐばあい
仕切られた裏を愛してあげることにする
なにもないから、じぶんで抱いて
白檀に造花を、なんて灰をおとして
吹かしている、喧騒ばかりを煙にまく
気儘なだけで なんの歴史もありません
褪めるばかりの騙りといいわけさせてください
なにをどこでどうしてこうなったのか
ひとひとりの圍が整然と並ばっている
ばかだなあ、漏らしてみた(余りにもと置く。)
色白の記憶から指先でぬぐうようにして
拾った憐憫。くちごも
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