白日夢/レタス
狂った時計を森の奥深く
猫の眼時計店に持って行った
ギィーと扉を開けた
こんにちは… 時計を直して欲しいのですが
店主は黙って文字盤を確かめた
これは狂ってはいないよ
ほら 見てごらんなさい そこらの時計たちを
ひとつとして同じ時刻を刻んでいない
時計とはそういうものですよ
でも、起きる時間や食事をする時間、
仕事をする時がわからないと困るのです
それは起きたい時に起きて
仕事をしたい時にして
食べたい時に食べればよいのです
では、なぜ時計はあるのですか…
自分だけの時間がわかればよいのです
そういえば、ぼくは1日を自由に暮らしている
ありがとうございました
ぼくは納得した
初出 日本WEB詩人会 2024/03/24
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