こうかいにっき。/あらい
春は庭じゅうに手をかける 暗い色の遅咲木ノ花に
そこにつくには、どこか、腥い憐憫を徹すような
頭が痛い 水臭い話 たぶん腐った果実酒のせいだ
いつか意図と玻璃を踏む
また奥から手前にかけて
惰性で滑り込ませている
ここは水底ですよとキミは桜吹雪を指し示して
わたしは目を合わせずに打ち上げ花火をみていた
あなたは、と問うと 紅葉を拾い上げる仕草、
ご覧の通りと首をすくめるチグハグの関係だった
精製する嗜好品は帆船に積まれている
使い古されて曇ったグラスのヒビごとなぞっていった
机上に透かした格子の舗装路、
どこへ向かうのか傷跡が生々しく
また零してしまったのか
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