光りになれない。/中田満帆
 
 夢の時間も砂嵐のなかに消えてしまうだろう
 そんなテレビジョンの懐いでのなかで
 光りになれなかったひとたちと
 一緒の場所で出遭ったのは
 真昼の淡い幻想だった
 いまだほんものの喜びが見えない劇場の裏手で、
 おれはなんだか酔っ払ったように手紙を書いていた
 始まりも終わりもわからないクラインの壺のような手紙を
 きみに宛てて書いていたはずだったんだよ
 索漠とした心に夏の光りが眩しい
 おれたちは光り、そのものになりたいと願う
 この祈り、そしてひらかれたままの瞳 
 アリゾナの沙漠地帯で取り残されたテレビがひとり放送を始める時間から
 ゆっくりと立ちあがってしま
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