紅白もくれん/そらの珊瑚
 
長い通院生活も今日で終わる
とある春だった
通い慣れた道、河川工事はまだまだ続くらしい
詳しくは知らないけれど新しい駅が出来るという
パン屋、スーパー、マンションや公園、行き交う人々
駅を支点として新しい街が作られるにぎやかな未来を少し想像してみたりした
そんな街に以前住んでいたことも思い出した
時系列が時に混線し、未来の中に思い出が現れることがある
信号にさしかかる
ハンドルを右に切ると湖があり、湖畔に紅白もくれんの大木が今年もたくさんの花を咲かせていた
あたりまえのようだけれど、冬はちゃんと終わるし、春もちゃんとやってくる
肉厚そうな花弁は存在感に満ち、今にも飛び立ちそう
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