『夢幻空花』 一、 此の世界の中で/積 緋露雪00
らず地面に佇立したままである。それでは意識は、肉体と違って自在を獲得したかといへば、決してそんなことはなく、唯の戯れに意識は飛翔して見せただけで、それは「未来少年コナン」といふAnimation(アニメーション)が見せたImage(イメージ)をなぞってゐるに過ぎぬのであった。つまり、それは私の手抜きともいへるのだ。他者が作ったImageに無断で乗っかってゐるだけで、其処には何の創造性もないからだ。だから、私は返って心地よかったに違ひない。何の負荷も私自身の思考にかけずに他者から借りたImageにただ乗りするだけで、意識が自在を恰も獲得したかのやうに敢へて勘違ひする誤謬の自在感を私は心ゆ
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