メモ/はるな
 
らここにいます。どこにも行けないと感じるし、ここがどこだかわからないくらいには遠くへ来た。

物語の裾が、やわらかくなびいているのを目の端につかまえて振り向くと、そこにはもうなにもない。
愛している、とつぶやきたくなるのを堪えて、あるものを見ます。見ようとする。これが長い一瞬であるのか、あっという間の百年であるのか、あなたが、どこからきてどこへ行くのか、わたしの指が、何に触れているのか、見ようとします。困難でも、そうするよりほかないと感じます。

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