青い魚/山人
 
青い魚が三月、泳いでいた
眼もなく、口もない魚
、と呼べる生き物なのかどうか
みんなはそれを魚かどうなのか
、と疑問符をハンガーのようにぶら下げていた


一途な男の弾丸が放たれるが
なぜかそれは途中で乳化して急所に届かない
取り巻きの守銭奴たちの祭りは盛り上がり
再び蓋は綴じられていく


口病に侵されているだけの
茶番な構造物の中で
放たれた唾だけが
悪臭を放ち、やがて無機物になってゆく


やはり青い魚はどこかに行こうとしている
私たちはそれを阻止しなければならない
戻る   Point(4)