いんとろだくしょん&アレグロ?/朧月夜
 
ちになります。新しい仕事にも、わたしはなかなか馴れていけませんでした。
 仕事に行きたくない、わたしはなにか言い訳を考えついて(それはもちろん前日のうちからでしたけれど)1日家に閉じこもるのでした。
 そんな日に、電話してみると、果林は留守でした。
 淋しくなったわたしは、果林が置いていったスコアを、そっとキーボードで叩いて心を紛らせるしかないのです。
 あんなに孤独を遠ざけていたはずのわたし。それがいつのまにか、果林いがいの人を考えられずに、一人きりを求めてしまっていました。


 果林の曲は、二人がショールームで見つけたハート型の容れ物のなかにすべてしまってありました。これは大切
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