いんとろだくしょん&アレグロ?/朧月夜
 
夏が、二人にとってほんものの幸福になればいい。わたしはそんなふうに祈っていました。でもそれには、こんな状態、こんなバカンスみたいな時間を早く終わらせないといけない、そのことも知っていたんです。
 果林よりすこしだけ多く生きてきた、いいえ、彼女の夢の深さが、わたしたちをへだてる溝のようにながれていました。
「仕事、探さなくてもいいの?」
 果林がもう1度聞いてきました。そのとき、その目はどこか不安な、おびえる小さなけもののようでした。
「仕事、あるかな」
「ええ、もちろん。見つかるけど」とわたしは答えていました。
 雨は、いやなものです。
 この季節にはどこへも出たくないという気もちに
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