夢空/秋葉竹
 


  

(短歌七首)

爪痕が
握りしめてる掌に
三日月みたいに残る格子戸


きみの声
だれもいないと抱きしめて
ちいさな意味を問いたい雪の日


べにいろの
人差し指の爪が刺す
じぶんじしんのうすい心臓


柿の種
みたいにぽりぽり食べる夢
バクよりいっぱい夢を食べたい


ただ覆い
かぶさるみたいにあつくるしい
棄て切れなかった星降る夢空


からだふく
やさしい言葉がこそばゆく
不貞寝をしてても笑ってしまう


美味しくて
おかわりしたいなんていう
甘めのココアの香りと眠るよ






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