Cheers/リリー
「な、なっ、これ。あたし持って帰って
味噌汁に入れるしラップで包んどいて!」
友人へ手渡す 小さなまな板で半等分にした
えのき
玄関開けた沓脱場から上がってすぐ傍、
ガスコンロには厚底の両手掴み鍋
ワンLDKの狭いキッチンスペース
置かれる大皿へ すでに盛られてある
白菜、白ネギ、もやし、椎茸、えのき、焼き豆腐
別皿のお肉と玉ねぎがサラダ油を敷いた鍋で
軽く炒められると市販のタレを加え野菜を炊き始める
ずっと私の目線は前方の壁へ向き、喋り続けていた
「はい。では次に。あく抜き要らずの糸蒟蒻ですね、
こいつをドバッと。」
小ざ
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