日記、メモ/由比良 倖
 
ければ何をしてもいい、なんて言う社会からは離れて。僕は歩く、栄養学的には悪いものを食べて、坂道を上っていく。誰も僕が死にゆく理由を知らないのに、僕には怒る相手がいない。全ては僕の心の産物に過ぎないというのなら、僕は一体、何を見ているのだろう? ナチュラル・ハイをずっと待っている。そのためにあらゆるものを捨てたくなるし、壊したくなる。僕は自分を否定したい。腐った牛乳を捨てるみたいに。肯定したい。死体を無表情に見るように。

 光。意味の無いものが好きだ。僕はAIと共存出来る。身体のいちいちに刻み込まれた自信の無さを、AIの、分解された言葉が埋めてくれるだろう。



2月16日(金)、
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