のらねこ物語 其の二十四「おりん」(二)/リリー
 
るのだ

 そこには 眠ってでもいるのか
 丸まって目蓋を閉じたままの茶トラ猫が逃げもせず
 石のベンチへ身を寄せているのだった
 

 注1)つりしのぶ=竹などに苔を巻きつけ忍草(シノブと呼ばれるシダ植物)
     を集めて、その根を束ねいろいろの形につくり涼感を得るもの。
     これに風鈴を吊るすこともある。
     江戸時代でも好きな女を縁日へ誘い、つりしのぶ や 
     ほおずきをプレゼントした。
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