のらねこ物語 其の十七「金魚の掛け軸」(二)/リリー
箱の底にしまっといたら。」
小さな衣装箱の着物の下へしまい込んだのだ。
注1) 湯屋=江戸での銭湯の呼び名。京や大阪では「風呂屋」と呼ばれた。
江戸は水道整備が整っておらず、近江屋にも内風呂は無かった。
銭湯が一般的で料金も格安だった。当時の湯屋は蒸し風呂で浴槽に
浸かることはなく、江戸時代の人は縁側や庭でお湯を使い洗髪した。
江戸時代後期には湯屋が六百件もあった。
注2)三畳一間の女中部屋に押入れは無い。
江戸時代、四畳半の長屋でも押入れは無く布団は畳んで部屋の隅に
置き衝立で隠していた。
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