夢/レタス
皐月の若葉が茂る
木漏れ陽のベンチの下
隣のベンチには文庫本を読みふける少年がいた
たぶん少年が連れて来たのだろう
6?は越えている太ったブチ猫がいる
ぼくは遠慮がちに隣のベンチに座った
おもむろに猫がぼくの膝に
乗っかってきた
にゃぁ〜と一言
ゴロゴロと喉を鳴らし前足をたたみ
猫は居眠りをする
その温かさにぼくも眠りに誘われた
池の傍らに目覚めたら
猫が「ご主人さま、ようこそいらっしゃいました」と言う
「此処は何処だい…」
「此処はまどろみ池の畔なのです。よくごらんください」
水面には睡蓮が咲き誇り
ときおり魚がポチャリと水面に跳ねる
トン
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