最近の日記/由比良 倖
になれる。でも人といると、僕は(他人とは違う)僕として固定されて、僕という枠から出られなくなる。言葉が産まれる場所を探している。でも、……なのに人と話していると、僕の言葉は表面的で、だらだらしていて、僕自身の発言が僕を裏切る。僕は常に変化していて、流れる存在なのに、言葉は発した途端に動かせなくなるからだ。……人との交流が音楽なら、どんなにいいだろう。
全てが光の歌ならいいのに。全てが光の海ならいいのに。全てがゼロならいいのに。死は、とても優しい。
こんな晴れた日には、僕は死にそうにない。死を感じるのが好きだ。とても個人的な人間に戻っていきたい。風を浴びて、外で過ごしていたくなるような日。僕にはいつか、美しい日々が訪れるだろう。でも、それにしても僕は、一体何処に辿り着けるのだろう? 春の匂いがする。春みたいな風が吹いている。感情は日々麻痺/摩耗していく。
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