夜のこずえ/
そらの珊瑚
闇に沈んだ森に
すみきって硬質な音がひびいている
呼び出しのベル
からすの巣にかかげられた黒電話
ひなはとうに巣だっていって
せつな、
忘れていった羽毛がおどる
とても軽いから
命からぬけでたものはやわらかく軽く
新月のみぎわで迷子になったりする
もしもし、と
それからなにを言おうか
応答のない未来だとしても
この受話器がつながっている
やさしくひえたあの場所を想いながら考えている
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