対岸まで/
そらの珊瑚
誰かに教わったわけでもなく
ひれもないのに
泳ぐ術を知っていた
不思議
暗闇の水は透明なはずなのに
烏賊墨いろ
触れる
包まれる
抱きしめられる
身ひとつだけの
図式
へその緒が取れて
どこへ行こうと自由だから
孤独
息を継ぐ
時に溺れながら
強靭な肺が欲しい
大丈夫、息を吐く時に継ぐのよ
(だれの声だろう)
果てしなくはない
果てはある
遠い
対岸まで
だれも待っていなくても
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