きみに帰る/
レタス
故人を偲び
独り
骨を拾った帰り道
西陽がとても眩しくて
何も見えない
いっそあの夕陽に向かって
ふたり 空の果てまで行ってしまおうか
何時も一緒に詩(うた)を歌っていたよね
こんなに こんなに好きなのに
恥ずかしくて
何も言えないでいる
交差点で止まって
バッハのゴールドベルクをかけてみた
きみもたぶん好きだろう
明日はきっと至福に満たされる
暖かな西の空を眺めながら
ぼくは歌い続ける
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