A/wa /あらい
 
琴殼=コトガラ}は潮汐に霞んでいる。

荒く畳んだ真砂の付いた片腕
で、新たな羣情(グンジョウ)の鉛筆を摸(さぐ)る仕草をみたい

譬(たと)えるなら おんなの
かたわらにはおとこがいて
小指一本 もいで、
くちにはこばされた まぐわいだった

鈍くうたった子雀が死面に告(の)る
抓(つね)るなら 羈絏(きせつ)のいろは。


――だいぶ あられもなく?燃ゆ?


一端の節々は
乱れ、軋み、撓み、
歪んだ正膣を醸す
箱庭よ。
〈盆栽の、躑躅/屍/椛〉
手の内にあるようで
稀有なもの、

今とは 限りなく遠くて 近くに為る凡人

知らぬだけ、
疾走らずとも 
底にあり

こおりまなこの蓋 詩片(うたかた)
夜汽車は音もなく すべり どこか曖昧にわらう
けれど あなたたちは あえて みにくい

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