Solitude at midnight (...with wiskey)/静
独りきりの夜の隅に
誰の邪魔にもならぬように
ランプの灯をそっとつける
私は低廉なグラスをかかげ
タリスカーをその灯に透かしながら
本を片手に煙をそっと浮かべた
窓辺を月が過ぎていく
貴方を失ったあの夜のように
言葉無き痛みが突き抜ける
それでも氷が浮かぶ水面の中に
須臾の間でも思い出す顔があるなら
幸せなのかもしれぬと脳裏によぎった
孤独な夜を上手く誤魔化す
旧い世界の人もそうしたように
甘み微かな苦みを噛み締めている
煙と塩の香りを舌で転がし
誰も居ないこの宵闇を刻みながら
在りし日と来たる日の均衡を生み出していく
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