甘く無残な鼓動/ホロウ・シカエルボク
 

脳裏で吹き荒ぶ嵐を、飲み干して制圧したい、闇雲に振り回した拳は、触れてはならないものだけを破壊した、影の中に隠れ、目論む感情のリカバリー、人差し指の傷を舐める、舌にこびりついた血は堪らなく苦かった、ガラスの破片、いっそ肉体に混入して、体組織の一部になればいい、焼却場の炉の中で輝くだろう、闘いの概念、結局は精神の在り方さ、指揮統制、すべては自分の為だけに、禁止区域を抉じ開けて進軍を続けろ、目を逸らしたいものこそが本質だ、肉体を持つ以上綺麗なものではいられない、悲鳴が聞こえる、或いは、昂ぶりの果ての絶叫かもしれない、どちらにせよなにも無いよりはマシというものだ、産まれることにも生きることにも、本来
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