魔女/医ヰ嶋蠱毒
 
微かな痙攣

君のとびきりの接吻が一匹の柔らかい死體人形に稲妻を給餌する
雷鳴は心臓と右肺に秘匿され禁域の嶺にて過熱した母胎へ

再誕を迎える畸形の?が掌を繋ぐように嘗て彼女等は呪詛であったが
いまや驟雨に融け降り頻る獣血の樋を流れる様に等しく
液化し、木桶に満たされ、狩人の義肢を浸すばかりの雛の魂魄

背理せよ、羽搏きが聴こえているうちに君は人間を辞めたのだろう?
微かな痙攣

おのず青銅の卵殻を喰らい憂鬱の底でセロを奏でる
柔らかい死體人形の慟哭は
糜爛に群がる黒蟻の毒に酩酊し破調し、熱傷を負う恥部の所在を明かす
皓い痩身の胸に浮かんだ湶に沿うかたちで丁重に播かれ
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