青空とレモネード?/朧月夜
て来なくても良いんですか?」
「それは後で……病院か警察が手配するんじゃないかな……今、だからあの子の部屋に行ってほしいの」
「今だから?」
「そう」
「今って、個展の前っていうことですか?」
「そういう意味もあるけれど……、あの子の記憶が戻らなかったらって、考えるとね」
「不吉なことを言うんですね」
「そうかな。心配性なのかもしれない、わたし」
僕たちの会話は、落としどころがないようだった。とにもかくにも、君の元ルームメイトは君の部屋へは行きたがらなかった。成り行きからして、それはそうだろうとも思えた。しかし、僕が君の部屋に行くことにも、正当な理
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)