青空とレモネード?/朧月夜
 
たものなのかは分からない。君と会った時から始まっていたのか、君が事故にあって初めて沸き上がった感情なのか、記憶の底を探っても僕には分からなかった。でも、なんとかして君に君自身を思い出してほしい、という気持ちだけがあった。そして、叶うなら以前のように絵筆を取ってくれたら……

 合わせて数回しか会ったことのないような人間がそこまで執着する、ということを僕自身も異様に思わないことはなかった。しかし、それが運命ならば受け入れる、という気持ちはあった。何よりも、そのころにはすでに君という存在が僕の生きる理由にもなっていた。そうでなければ、連日の徹夜仕事などはこなせなかっただろう。

 いつしか、「
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