青空とレモネード?/朧月夜
あんたはまたそういうことを。あんたの場合、レモネードというよりレモンサワーでしょう?」
「わたし、お酒飲みじゃないよ。もしくはさ、蛇口をひねったらレモネードが出てきたり……」
「そういう突拍子もないことはよく考えつくよね」
「何よ、あなたはビジネス・オンリーでしょう?」
「もう芸術の世界からは離れたの」
単純な馬鹿話、と言っても良かった。それでも、2人の会話は芸術家の会話、という感じがした。あの線が1ミリメートルずれていた。もう5ミリメートルくらいの幅を出せば良かった、などという話を聞いていると、僕の仕事にもつながる考え方、物の見方だと思えてきた。そういうことであれ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)