have nothing/静
寂れた街頭の下で踞り
嗚咽混じりに初めて涙を流した
無関係の喧騒の中で
動かずともよいと何かが囁く
その頃はいつも歌が生まれた
言葉を持たぬ血を捧げながら
ゆっくりと人は歩き始める
他人の時間に追い付くために
無表情な関係性の中で
途方もなく間違っていく
どうにも上手く立ち止まれず
歌の泉がいつの間にか枯れている
いつしか大人になっていた
何も持たず生まれたことを忘れて
暗がりで泪を流した日々は
一欠片の勇気が紡いでくれた時間
心だけを持ち得る景色の中で
またいつか詩を歌えたらと思う
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