水の行方/ホロウ・シカエルボク
 
本当に大丈夫なのだろうなという気がした。二週間ほど入院して、あとは月に一度、何度か通院するだけで問題ないだろうということだった。

すべてが終わり、私はもう一度日常を手に入れた。しばらくの間私は、ギリギリ生活出来る程度の短時間の仕事を選び、自分の生活というものを真剣に考えた。ぼんやりと生きていた私は、死んでしまうしかなかった同い年の女性の最期の場所にたまたま辿り着き、そのまま彼女に続いて死んでしまうところだったけれど、生き残った。ただ生きてきただけの人生だった。あなたはなぜ生きているの、と、脳裏に焼き付いた彼女の影は時々私に静かに問いかけた。私はいろいろな本を読み、いろいろなテレビ、色々な映画
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