Lの昇天?/朧月夜
え病気ではなくても、人は死んでしまうことがある。Lは、なぜかしらそんなことを証明したい気持ちになっていた。
例えば、バケツの水が一杯になってあふれてしまったような場合だ。バケツを水道の下に置いて、一滴ずつの水を滴らせていた場合でも、いつかはそのバケツは水で満杯になってしまう。そこから後は、水道から水が滴り落ちればバケツからこぼれて落ちるだけだ。死がそんな理由によって来ても良い……。
(それとも、わたしが昔から水面下で自殺を考えてきたのだとしたら?)
答えはいつまで経ってもはっきりしない。いつの間にか夜明けが迫っていた。
厚いコートを着ていたので、夜じゅう歩いていても寒
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