Lの昇天?/朧月夜
のかを知っている、それだけのことではないのだろうか。それが今日だった、それだけのことではないのだろうか。Lは心の内で反芻する。
(わたしは、自分の運命を知っていた?)
まるで猫が自分の死に時を知っているように。
Lは友人のMにLINEを送ってみた。
「何、こんな時間に?」
「えっと、お別れを言いたくって」
「はあ? こんな朝早くから迷惑なんだけれど」
「これが最後だと思ってさ……」
「いい加減にしてくんない!」
「ごめん、悪かったわ」
予想通りの答えが返ってきたので、Lは満足した。今では、
(わたしが死を待っていたんじゃない。
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