Lの昇天?/朧月夜
ったのだろう。Lが彼らを見ているような視点で、Lもまた見られていたのだ。
精神病院で親しくなった人たちは何人かいた。それが何の甲斐もないことだと知りながら、退院後の連絡先を交換した人たちもいる。病院の規則ではそれは固く禁じられていたのだけれど……それを守っているのは少数だった。
ある婦人は、3度の結婚と3度の離婚、そして3度の自殺未遂をしたと、Lに教えてくれた。その人は病院内でLが親しくした人の一人だった。
「こんな波乱万丈な人生はないでしょう? おまけに息子まで自殺しようとしたのよ? それで、わたしおかしくなってしまってね」
と、婦人は言った。その口調はどこまでも穏
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