Lの昇天?/朧月夜
 
感じていた。すべてが傍観者の気分だった。そして、一晩の取り調べの後、Lは精神病院に入院させられた。そこへと運ばれていく間も、Lは手足を拘束されたままだった。

 精神病院では色々なことがあった。そこで、Lはまず隔離室に入れられ、2日間ほど身体を拘束されていた。その間も、Lは何も感じなかった。ただ、時折意識を失うように眠りに落ちた。

 病棟には様々な人たちがいた。一日中念仏を唱えているような人、時折大声を出す人、暗く沈んだまま何も話さないような人、親し気に話しかけてくるが、何かあると途端にキレだす人、正常だとしか思えないような人。彼らの誰もが心に病を抱えていた。そしてきっと、Lもそうだった
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