師走/墨晶
 
           L'impromptu

 午後に税理士が来ると聞いていた。しかし現れたのはゼリー師(Jelly Master)だった。我々は厳(おごそ)かな師の滔々と語るフルーツゼリー、コーヒーゼリーの製法を聴くこととなり、「年末調整も大事だが我々にそもそも必要なのはゼリーだったのではないか」と云う気付きを与えられた。近頃我々は仕事に明け暮れ何か大切なことを忘れかけていたけれどもそれが判然とせず、従業員の誰もが何かを云おうとしてしかし的確なことを云えずにいたところだったので、それが解明され、我々一同胸のつかえがなくなり清々しく年を越せることとなった。


           - D?cembre
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