ある追憶に/ワタナbシンゴ
 
さみしさを纏う外套があったなら
輪郭を縁取ることなく
あなたと私の消失点で像を解き
互いの記憶の曖昧さに溶け込んでゆける


夕暮れの色にぼんやり佇むひとたちが
遠く住んでいた場所を忘れようとするように
私はあなたのことを思い出しています


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