ancient/医ヰ嶋蠱毒
 
?く鎖ざされた新月の夜
叢を吹き曝す風の一陣

太古の黄泉を此岸へと繋ぐ
それは鍵穴であるのか

外套を羽織る私を睥睨し
墳墓は聳える

辺り一面の闇は射干玉
糸を引いて粘着くように

追憶を謡う閻魔蟋蟀

私の意識は
青褪めた電光を放ちつつ
痩せた?から這い出して

鴉揚羽を追い掛ける
其処の底へと

しじまに屹立した馬の塑像を
黙祷により示された
僅かな道標のひとつとして
伊邪那美の腕に抱かれながら
埴輪の隊列が導く先をゆく

?く鎖ざされた新月の夜
叢を吹き曝す風の一陣

太古の黄泉を此岸へと繋ぐ
それは鍵穴であるのか

亡き王の玉座も朽ちゆく齢
その先の
あの丘を成す土塊の下で
一つの髑髏
眼窩の虚が煌りはじめる
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