縁(えにし)/涙(ルイ)
る
いつもベッタリしている関係ではなく
月に1度 ごはんに行ったり映画観たり
ほどよい距離感で付き合ってくれてる
とあたしは勝手にそう思ってる
保育園のときから中学までずっと一緒だったあいつ
みんな変わってしまったのに
あいつだけは変わらなかった
変わらずにあたしをよくからかってきたけど
何故かそんなに嫌な気はしなかった
あいつのこと 悪く云うひともいたけど
あいつは いい奴だったよ
シャイだから つい口が悪くなってしまうだけ
あいつ 今ごろどうしているかな
結婚して子どももいたりして
仕事は何してるのかな
いい人生送ってるかな 送ってたらいいな
なんて とりとめもないことを
眠れない夜なんかに記憶から引っ張り出しては
心の中で あの頃はありがとうって
つぶやいたりなんかして
とんだお笑い草でしょ
鬼すらも笑わないような
笑えない笑い話
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