カトラリーカチャトラ/ミナト 螢
 
ナイフとフォークで
青い空を切り取れたなら

いま雨が降っていて
悲しい目をした人に
温かい光をあげられる

側にいられない代わりに
空を贈るから
見上げて欲しい

僕のわがままで
君が幸せになるように
祈らずにはいられない

離れていても
その姿を見ていたいから
ナイフを磨いたり
フォークで髪を梳かしたり

あぁ正しい使い方なんて
誰にも習わなかったよ

君の心臓や脳内で
動き続ける愛の言葉を
いつか僕が食べに行くから

その時はきっと
ナイフもフォークもいらないね
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