帰って来ました/ホカチャン
 
君は年末の寒い朝に
僕の待つ駅のプラットホームに
夜行列車からひとり降りた
列車の窓から君の友人たちが
食い入るように僕を眺めていた
久しぶりの再会だったが
会話はなぜか弾まなかった
彼女も緊張している感じだった
夜になると
東京から帰ってきた先輩を囲んでの飲み会に
彼女を連れて参加した
先輩たちから
おめえ いい彼女じゃないか 大事にしろよなどと
次々に声をかけられた
タクシーでアパートに帰り着くころには
大分酔っぱらていた
部屋へ入ると
一つしかない布団を敷いて
一緒に寝ようと言ったが
彼女はコタツでいいと言った
僕は酔いをさますために
アパートのまわ
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