love sick 1/ルルカ new
 
ターは、新患のリサーチを終えたようだった。

「はい。『小泉様、小泉香奈絵様、診察室へお入りください』

診察室の扉をゆっくりと開けて、小泉香奈絵は入ってきた。
さっきまでの興奮した様子とは打って変わって落ち着いていた。
だが、彼女がうったえたように、涙はとめどなく流れていて、
さっきとは違うミニタオルを瞳にあてていた。

いすを見て、一瞬躊躇した香奈絵に、すかさずドクターは言った。

「何か、いすに対して恐怖心でも?」
それを聞いた彼女は、ふふっと笑って、すぐさまいすをひき、腰掛けた。

ドクターは、カルテを開いて言った。
「今日は、いかがなさいました?」
下を向
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