道ばた/soft_machine
公園で何本かの吸殻をひろいながら
ここにどんな唇が触れ吐きすてたのか
といったようなことは
あまり考えないようにしている
救えなかったいのちより
救わなかったいのちを大切にしているのも
まっすぐに進みたいものを
曲げるひかりを探すのも
たぶんみんな同じ言い訳
あなたにぶつけられたことばのやいばが
からだの中でおおきな破片に割れて
今も心をひき裂いている
おなじくらい烈しい怒りで口を塞ぐ
二度と目ざめが来ないよう
思いの果てにとり憑かれ抱いた
道ばたで裏がえった犬のなきがらを
何度も何度もうずめてきたけれど
いつか
いつか止めてしまう日がくるのを知っていた
ほんとうは嫌だった
愛は苦しみぬくのだから
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