卓球中継とスピーカー/番田 
 
化させてしまう。アイフォンはエアプレイで再生するのでバッテリーを消費するのだ。しかしエアプレイを通さずにソノスアプリで再生できればWIFIなのでそれは回避することができた。ただそれはラジコを使うのでできないようだった。バッテリーを劣化させることなくラジオを聞くにはパソコンからそれを再生する必要があったのである。椅子に腰掛けた僕は夜風に吹かれていた。そしてラジコというブラックボックスを憎んだ。ソノス自体は便利なスピーカーに思えたのである。再生ボタンさえ押せれば何かしらの音楽が再生されるという。ちょうど小型PCが内蔵されたスピーカーと言って良い。スマホをつけるとフリマアプリに何台かそれが表示されている。色々なタイプが存在するようだった。僕はでも、今はその時ではないと思っていた。少し外を歩くと街はまだ暑い。しかし8月ほどではない。そしてゴミ出し場には誰かの捨てたダンボールが何日も置かれたままになっていて、白く変色していた。それを捨てた人はまだ住んでいるのかはわからないが、それを収集員が持っていかないのは、僕と同じように、そうしない理由が何かあるように僕は思えた。


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